アスベスト基礎知識

アスベストとは?

ギリシャ語で「永久不滅」という語源を持つ、蛇紋岩や角せん石が地熱や地下水の作用で繊維化した天然の鉱石で、鉱物性ケイ酸塩の総称です。アスベストは、耐熱性、耐磨耗性、耐腐食性などに優れるため、建材を中心に幅広く使用されてきましたが、平成7年4月にクロシドライトとアモサイトの使用が禁止され、平成16年10月よりクリソタイル含有石綿製品10品目の製造が禁止されました。

アスベストの画像

アスベストがもたらす健康への被害

アスベストが人体へもたらす影響として、石綿肺・肺がん・悪性中皮腫などがあり、アスベスト作業者が20~40年の長い潜伏期間を経て発病する場合があると言われています。

 

石綿肺は、アスベストを取り扱う職業に従事し、長期間劣悪な環境下で作業した労働者に起こるじん肺の一種です。悪性中皮腫は、内臓を含む中皮にできるガンの一種で、珍しい病気ですが、アスベストの影響で発病率が高くなると言われています。肺がんはアスベストと喫煙の相乗効果により、発病率が高くなると言われています。

使用の可能性がある箇所とその理由

屋根・外壁・・・耐火性・耐久性

浴室の天井・・・耐火性

壁(和室の砂壁)・・・耐久性

浴室の天井・・・断熱性、結露防止

駐車場(梁・天井)・・・耐火性

 

※その他軒天、Pタイルなど


危険性のあるアスベスト

飛散性(劣化して飛び散る可能性)がある吹きつけアスベストおよびアスベスト含有ロックウール。

主として駐車場の梁・天井に使用されている。

※ 吹き付けアスベストはセメント等の含有率が少ないため飛散性が高く、建物解体時には大気汚染防止法と石綿障害予防規則に基づく飛散防止処理が不可欠です。

アスベストの危険性を見分ける

設計図書(※)から、ご自宅の建材にアスベスト含有建材が使用されているかある程度判断できます。危険性が認められた場合は専門機関に調査を依頼しましょう。

 

(※)工事内容を指示するための各種の書類を総称して「設計図書」と呼ぶ。平面図や立体図などのいわゆる設計図のほか、内外装などの下地・仕上げなどを記した「仕上表」、図面では表せない工事方法について指示する「仕様書」などがあります。